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第11回平成独楽吟優秀作品

最終更新日 : 2009年2月9日

平成独楽吟部門

賞名 作品 作者
橘曙覧賞 たのしみはどろんこまみれの子供たち並ばせホースで水かけるとき 小竹 勉
福井県知事賞 たのしみは汗を流せし雪かきのその道通う子らを見るとき 三屋 捨夫
福井市長賞 たのしみは二人並んで畑(はた)仕事精出す姿の父母を見るとき 加藤 文代
福井県教育委員会賞 たのしみは息子の声に似てきたる孫を玄関に迎え出るとき 橋本 小夜子
福井市教育委員会賞 楽しみは残業を終えてやわらかき吾子をまるごと抱きしめる時 木村 玲子
福井新聞社賞 たのしみは戦史を読みて紙一重拾った命の重み知るとき 小川 正則
日本放送協会福井放送局長賞 たのしみはサイレン鳴りて解禁の磯に集まりひじき苅るとき 旭 千代
福井中央郵便局長賞 たのしみは母から届く荷の底の里の新聞手に取りし時 田上 幸子
熊本市賞 たのしみは無いなんて言う父親の肩に黙って手をのせるとき 馬場 翔大
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞 楽しみは家紋の入りし提灯の補修の成りて匂ひ嗅ぐ時 石塚 利光
秀作 たのしみはやっと開いた大プールキラキラ光って私をさそう時 多田朱里
秀作 たのしみはおこった母の目のおくでやさしい光が見つかったとき  金子苑加
秀作 たのしみは渋谷あたりの通勤時もしや吾子かと画面見入るとき 田﨑節子
秀作 たのしみは夕餉揃って四世代話に花咲く賑い見るとき 児玉静子
秀作 楽しみはおさがりじゃなく僕ように母とえらんだ服を着る時 鷲田仁司
秀作 たのしみは新品ノートの一ページきれいに折って書き始めるとき 松原和徳
秀作 たのしみはねぶた囃子の高鳴れる北の大地の夜(よ)を跳ねるとき 阿久津 凍河
秀作 たのしみは禁漁あけの日本海浜ゆでガニの匂ひかぐとき 小牧 悦二郎
秀作 楽しみは合併しても変わらずに村の祭りが開かれる時 瀬尾 恵子
秀作 たのしみはいくさなき国ハーモニカふるさとの歌なつかしむとき 西川 豊太
秀作 楽しみは月に一回ふるさとへ向う列車の切符買う時 間瀬妙子
秀作 楽しみはどれも愛しき芽を摘みて鉢に大輪の菊薫るとき 畠山治夫
秀作 たのしみは塾帰りに見る星の群れ心落ち着く一瞬のとき 山田敬之
秀作 楽しみは駅のホームの向こう側でネクタイしめるあなたを見るとき 奥乃沙代子
秀作 楽しみは真冬の空にふんわりとすき通った月を見るとき 横川由佳
秀作 たのしみは道をいくたびまい落ちる赤い落ち葉をつかみとるとき 那須祐紀
秀作 たのしみは吸い込むように平らげる息子の皿を片付けるとき 松岡郁重
秀作 楽しみは外泊許可でた父乗せて母待つ島へ連れ帰るとき 堀江みどり
秀作 たのしみは冴えた弦音(つるね)の冷やかに矢の正鵠を貫きしとき 伊能康祐
秀作 たのしみは言葉覚えた我が子連れ故郷(ふるさと)めざす汽車に乗る時 今井 祐岐
秀作 楽しみは最後のお湯に身を沈め「ママ」が「私」に返ってゆくとき 大嶋裕美

一般短歌部門

賞名 作品 作者
橘曙覧賞 重なりて久々子の湖を抱く山のひだより白き霧昇りゆく 米澤 幸枝
福井県知事賞 かつて母炭負ひ越えしこの峠朝刊配りにいま我も越ゆ 上坂 信行
福井市長賞 勤めつつ母となる日を待つ人かバスに小さき靴下を編む 田村 成男
福井県教育委員会賞 来る年も稲を育てむ畔(くろ)打ちし鍬を師走の小川に磨く 衞藤 巌
福井市教育委員会賞 炎天に入浴車の気配して「要介護5」の母はほほ笑む 小林 正寿
福井新聞社賞 どうしても唇の味知りたくて君に内緒でレモンを買った 榎田 敬子
日本放送協会福井放送局長賞 五年前一夜でこの世を去りし児の「勇ちゃんの木」に新芽萌え立つ 砂原 恵美子
福井中央郵便局長賞 鉄橋の復旧工事始まるを代行バスの窓に見てゆく 岸名 隆一
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞 じゃがいもの花咲く土に座す夫婦(ふたり)加賀野の昼の点景となる 河島 はる子
秀作 闘って召された母の個室では折り鶴群れて羽ばたきており 松川 幸江
秀作 伐(き)り終へて夕焼仰ぎ山峡を杣(そま)の夫妻が労(いたわ)り帰る 三輪 輝二
秀作 諳(そらん)ずる己(おの)が民話もなかりせば孫子の代にふるさと在りや 安達 秀幸
秀作 亡き夫(つま)の植ゑし桜の咲くたびに枝を手折りて墓に供へつ 山下 なみえ
秀作 老いたるかともに走れぬ飼い主を犬はけげんに振り返りたり 長谷川 明
秀作 子供らのきらきらまなこに囲まれて「おにやんま」逃げまどう教室 辻本 直子
秀作 くるぶしに風の気配を感じつつ駆け上がりゆく夏の階段 横井 和幸
秀作 一月余(ひとつきよ)賞(め)でしりんごの返り花(ばな)冷えます風に散り初めたり 西端 寿て子
秀作 定年ののちの仕事の面接日柄(がら)若きシャツ妻が着せ掛く 皆川 芳彦
秀作 おちていく水の姿は竜のよううなりをあげて谷底にゆく 中川 莉央
秀作 指先に少年の感触よみがへり掛独楽(かけごま)廻す八十五の春 尾﨑 啓一
秀作 墓まわり鶏頭の花埋めつくす寒がりのちち温めるように 笠原 八重子
秀作 薄れゆくあの日の記憶よみがえる神戸が揺れたあの日の朝に 小松 周平
秀作 罪のない少女が殺された昼下がり僕は笑ってTVを見ていた 更科 俊貴
秀作 幕裏でスタンバイするその瞬間私は可憐な藤娘になる 中川 央未
秀作 月浮かぶ夜には思ふ父母が授けてくれた私の名前 小川 菜月
秀作 車椅子にて投票をして来たる父の政治論にうなづいてやる 白石 葉子
秀作 秋天を一線に流る飛行雲高射兵なりし我は測高す 柿下 則雄
秀作 目瞑(つむ)れば大和沈める海の碧見ゆると言ひて酒酌みし母よ 日下部 潦太
秀作 ふる里のおみず送りは春をよぶほらがいの音がひびきわたるよ 奥野 トメ子
秀作 ほんのりと温き差し歯を吾に託し祖父は歩いて手術室に入る 堀江 奈緒美

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