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最終更新日:2022年3月25日

重要文化的景観「越前海岸の水仙畑」


重要文化的景観「越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観」

水仙畑越前海岸は日本水仙の三大群生地の一つとして知られ、特に福井市下岬地区(旧越廼村南部)はその発祥の地と言われています。この地で栽培される水仙は「越前水仙」のブランド名で全国に出荷されていますが、寒風に耐えながら育った越前水仙は、芯が強く、花は良く引き締まって長持ちし、香りも豊かと評され、特にお正月を彩る花として人気を博してきました。
 越前水仙は、越前海岸特有の急峻な斜面を中心に栽培されており、厳冬の日本海に向かって咲く姿は、福井の冬の風物詩の一つとなっています。またその景観は、越前海岸の豊かな風土に根ざした人々のくらしと密接に結びついて築き上げられてきたものであり、福井を代表する文化的景観です。
 令和3年3月26日、「越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観」(福井市)、「越前海岸の水仙畑 上岬の文化的景観」(越前町)、「越前海岸の水仙畑 糠の文化的景観」(南越前町)が、福井県内では初めて国の重要文化的景観に選定されました。 

重要文化的景観「越前海岸の水仙畑」の紹介映像(新しいウインドウが開きます)

下岬の文化的景観の概要

  • 選定の名称 越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観
  • 選定日 令和3年3月26日
  • 面 積 354.7ヘクタール
  • 所在地 福井県福井市居倉町、浜北山町、赤坂町、城有町及び八ツ俣町の各一部
  • 重要な構成要素 水仙畑、河川、水路、集落、神社、寺院、湧水地、城跡、天然記念物など
  • 本質的価値について
    「越前海岸の水仙畑」は、急崖が連なる越前海岸の厳しい自然条件下において、幾つもの生業を合わせながら生活を営んできた集落が、斜面に自生する水仙を正月花として摘花・販売することを冬の副業とし、近代以降に斜面や棚田に栽培地を広げ、水仙を主たる産物の一つに発展させる中で形成されてきた文化的景観である。
     その北端をなす「越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観」は、昭和初期から組合を設けて取り組んだ事例であり、水仙畑が拡大する時代背景をよく伝える。山麓部の緩斜面や海成段丘に田畑が断続的に広がり、その中に棚田の石積みや銀杏、蜜柑、柿等の果樹を残すことを景観の特徴とするが、これは、地形の制約を乗り越えて田畑を開き、土地に合った作物を模索してきた人々の努力を示すものである。またこのような地形における海沿い、段丘上、山間の集落の歴史と文化を表す景観を継承する。福井県嶺北地方の海岸部における人々の暮らしを理解する上で欠くことのできないものであり、重要である。
    (『月刊 文化財』2月号(689号)より抜粋) 

 文化的景観とは

日本の多様な気候風土の中で、人々は地域の自然と関わりながら生活・生業を営み、その土地ならではの特徴的な景観を築きあげてきました。このような歴史と風土に根ざした暮らしの景観は、日本の文化を理解する上でとても大切ですが、身近であるがゆえに、その良さに気づかれることなく失われつつあります。
 文化財保護法では、こうした景観を受けつぐ土地を「文化的景観」とし、文化財の一つに位置付けています。また文化的景観の中でも、地域の特色を示す代表的なものや、他に例を見ない独特なものを「重要文化的景観」に選定して保護を図っています。 
 文化庁の文化的景観のページ  

越前海岸の水仙畑 文化的景観保存調査報告書 

重要文化的景観の選定にあたっては、福井県と福井市・越前町・南越前町が協力して、平成29年度から30年度にかけて、文化的景観の調査を実施しました。その成果は、福井県から「越前海岸の水仙畑 文化的景観保存調査報告書」として刊行されています。保存調査報告書については、福井県のホームページをご覧ください。
 福井県の文化的景観のページ 

越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観 保存活用計画 

重要な構成要素「越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観」は、福井市下岬地区(居倉町・浜北山町・赤坂町・城有町・八ツ俣町)の水仙畑と集落を中心に構成されています。労働人口の減少や獣害対策などの課題はあるものの、水仙の出荷組合である「こしの水仙部会」など約70軒の農家が水仙栽培を続けており、水仙畑を中心とした良好な景観が保たれています。
 福井市ではこの景観を将来にわたって継承していくため「越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観 保存活用計画」を策定し、地域住民と行政の協働により、豊かな歴史や風土、水仙畑を活かした地域づくりを推進していきます。

  1. 保存活用計画(PDF 6MB)
  2. 重要な構成要素個票・参考資料(PDF 6MB) 

ローカルフォト「越前水仙カメラ」の活動

ローカルフォトスクール重要文化的景観「越前海岸の水仙畑」をフィールドにして、令和2年11月からローカルフォト「越前水仙カメラ」の活動を始めました。越前水仙や水仙畑をはじめとする越前海岸の魅力を見つけ、伝える活動を続けていきます。
 ローカルフォト「越前水仙カメラ」 

お問い合わせ先

教育委員会事務局 文化財保護課
電話番号 0776-35-1015ファクス番号 0776-35-1017
〒918-8026 福井市渕4丁目748 【GoogleMap】
業務時間 平日8:30~17:15

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