第14回平成独楽吟優秀作品

最終更新日 2016年4月5日 印刷

平成独楽吟部門

賞名 作品 氏名
橘曙覧賞 たのしみは日だまりの中眠る子の桜色した爪を切るとき 水谷 あづさ
福井県知事賞 たのしみは離れて遠きふるさとに一つ残りし墓洗うとき 中出 成之
福井市長賞 たのしみは漁する君の衣の背中に刺子文様刺し進むとき 鈴木 七海
福井県教育委員会賞 たのしみは「母」と「妻」とをしまいこみ「選手」に着替えボール追うとき 勝守 雅子
福井市教育委員会賞 たのしみはドングリ落ち葉だんごむし園服のポッケうらがえすとき 東山 和美
福井新聞社賞 たのしみは今年生まれた熊鷹の餌ねだる声聞き分けしとき 三丸 祥子
日本放送協会福井放送局長賞 たのしみは妻と寄り添い病室で手鏡合わせ月見するとき 杉本 谷夫
福井中央郵便局長賞 たのしみは ふいに戻った 老親の 記憶の中に 私見るとき 奥山 真理
熊本市賞 たのしみは五日も座したる雪雲を割りて輝く朝日見しとき 小田 孝雄
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞 たのしみは小春日和に亡き母のふる着の糸をほどきたるとき 仲下 裕子
秀作 たのしみはジャングルジムのてっぺんで夕やけが手にとどきそうなとき 東山 侑樹
秀作 たのしみは石ころ一つけるたびにうちにちかづく道を見るとき 中梶 杏美
秀作 たのしみは亡き弟の面差をうつむく吾子にはつか見るとき 阿部 裕美
秀作 たのしみは母の弁当広げつつ冷めた温もり味わう時 片谷 愛美
秀作 たのしみは寝息をたてる幼子のわずかばかりの歯が見えるとき 馬野 将幸
秀作 楽しみは読めば読むほど薄くなるしおりを外して本を読む時 中山 梢子
秀作 たのしみは父の遺せし椅子に座し父に似し雲探しゐるとき 加古 親
秀作 たのしみは夜ごと剥きたる渋柿が光透くまで干し上がるとき 吉田 尚子
秀作 たのしみは来年の運計るごと文具売り場で手帳選るとき 中村 このみ
秀作 たのしみは若嫁の出すドレッシング洋風の名を口に出すとき 石田 礼子
秀作 たのしみは妻と里山歩きつつ互いのくにを話し合うとき 高木 輝夫
秀作 たのしみは盲いた妻の手をとって石蕗の咲く日向ゆくとき 福島 海光
秀作 楽しみは青菜漬けが去年より母の味へと近づいたとき 柏屋 若子
秀作 たのしみは我が武器バリトンサックスと魂の歌奏できるとき 下内 忠明
秀作 楽しみは幼なかった弟が見ないうちに成長した時 伊東 勇太
秀作 楽しみは電車で向かう冬の町光の中で待ち合わせる時 原田 兼之進
秀作 たのしみは離れて暮らす嫁からの孫を預かる依頼あるとき 西谷 勲
秀作 楽しみはコツを掴んだアルデンテ丁度いいねと母笑う時 中村 いづみ
秀作 たのしみは暗き内より山に入り夜明けと共に茸採るとき 河西 健二
秀作 楽しみは私があげたネクタイが父の首元で揺れている時 室野 未来
秀作 たのしみは蓬若葉の香を詰めて届いた餅の箱荷解くとき 横光 貞学

一般短歌部門

賞名 作品 氏名
橘曙覧賞 純白といふ重さ在り夕牡丹崩れむとしてなほ陽を支ふ 佐々木 武
福井県知事賞 髪の毛を括ってくれた母さんの指先匂う七月の桃 堀江 麻友美
福井市長賞 旋盤で切粉を飛ばし鉄材を削って緊張極点になる 小牟田 亮
福井県教育委員会賞 ドーパミン溢れ出る心地ふと覚ゆ図書館の午後の淡き日ざしに 佐月 梨乃
福井市教育委員会賞 右乳房削ぎたることの言へずして白桃ひとつ捧げ持ちたり 旭 千代
福井新聞社賞 暗闇に仄かに匂ふ川の瀬の水より生れし蛍舞ひ出づ 小林 浩之
日本放送協会福井放送局長賞 戦場に愛し子送りし日の軍歌恍惚の母未だ忘れず 原 峻一郎
福井中央郵便局長賞 西空に火の粉の色の赤トンボせわしく空をぶつからず飛ぶ 嶋田 孝輝
歴史のみえるまちづくり協会理事長賞 吹雪く夜に汚れし襁褓を取り替へし我を拝みて義母は逝きたり 小林 ゆき
秀作 月曜は形状記憶合金が戻るがごとく歯ブラシを持つ 紙崎 照明
秀作 手の平に小さな紙の船模型ボンドで汚れた手の海をゆく 桜木 優
秀作 児童館の黄のタンポポが咲き揃ひタンバリンのごとリズム奏でる 杉崎 康代
秀作 言ひ忘れし言葉一つのあるごとく又ひとつ咲く黄の返り花 佐々木 允子
秀作 喜寿祝ふ身は化粧を忘れかね紅うすく引く朝の手鏡 松村 良起
秀作 朝の陽にランドセル一つ反射してこの集落に新入生あり 阿部 道子
秀作 寒夕焼鋭き百舌の声のして峡の水面は闇に入りゆく 土居 昭子
秀作 何もない実習室の天井に溶接実習の影踊ってる 荒木 翔太朗
秀作 あと一年卒業までの針動く教室の壁にかけられた時計 田中 隆徳
秀作 シールドの面をつけて溶接の火線の走る勢いを見る 古川 賢之介
秀作 カンカンとアルミの板を図面とは逆だと気付かずしばらく叩く 犬山 天将
秀作 たそがれの風がめくって読んでいるベンチに置いている万葉集を 土井 大輔
秀作 カモメ鳴く海を見に来て話すことなくなり無言で手をつないでいる 佐野 拓真
秀作 おやすみと自分に言ってあかり消す影さえ消えてただただ一人 安藤 英房
秀作 母に来し軍事郵便数十通知らぬ父知る遺品と思ふ 阿久津 凍河
秀作 地震の後全戸戻りし谷の村祭太鼓が暮れて高まる 岡本 邦夫
秀作 時計台の道行き戻りてきみ待ちし初恋の日はリラ冷えなりき 西森 幸枝
秀作 いつの間に我を越えしや子は母の小さき憂ひをなだめて笑ふ 米澤 幸枝
秀作 工務店の寄贈を記す鏡あり倒産をしてすでに十年 渡辺 廣之
秀作 追悼の花束ピアノの上にあり飛びたちそうな羽の形に 斎藤 洋子
秀作 確執の解けざるままに呆けたる兄の手を引き散歩に出でぬ 間瀬 妙子

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