日芳 佳奈子さん(地域おこし協力隊)

日芳佳奈子さん

(円山リゾット米と日芳佳奈子さん)

”福井は、根をはる場所”

 そう語るのは、福井市の日芳佳奈子さん。福井市出身で、2年前に福井にUターンしてきた。大学卒業後は東京で外資系の証券会社に勤務していたが、身体を壊してしまったことを機に食や健康に目を向けるようになる。
 畑で自身の手で野菜を育てた経験から、野菜の食べる部分以外はゴミにせずコンポストにして次の栽培に使用する循環型のライフスタイルを生活の中に取り入れ、自宅の庭でセルフヒーリングのためのキッチンガーデン(家庭菜園)を提案する「Green Table Project」を立ち上げた。
 現在は福井市の円山地区の地域おこし協力隊に着任、自分自身の農業法人での経験を活かしながら県内では珍しいリゾット米の地域特産化に向けての商品開発やコンセプトづくり、販路拡大などを行なっており、福井県の6次産業化・地域プランナーとして農業法人へのコンサルティングも行なっている。

※ 本記事は取材当時の情報を基に作成しています。

福井に移住を決めたきっかけ

 3年前に父親が亡くなり高齢になった母親のことも気掛かりで地元の福井に戻ることを決めました。

福井への印象

 正直、高校卒業までしか福井にいなかったので、あまりイメージのないままでした。帰ってこいと言われたのですが、福井で仕事をするイメージが湧かず、好きだった英語が使える企業に就職しました。ただ都会暮らしの初日に気づいた都会の水の不味さや、スーパーで売られているお刺身がおいしくなかったりと、福井を出たからこそわかった福井の良さに色々と気がついたことを覚えています。
 こうして福井に帰ってきてからは、福井はのんびりとした空気感というか、時間の進むスピードがゆっくりで、人とのつながりも近い方だなと感じています。

福井での生活について

 ゆったり、ですね。福井に戻ってきてからは、自宅の庭に少しずつ手を入れてリニューアルしています。ガーデニングや家庭菜園はある意味田舎だからできる贅沢なのかもしれません。福井ではお野菜をいただくことも多いのですが、野菜でつながっていく人間関係も何気なくて素敵だなと思います。
 将来はハーブや野菜など植物のちからを借りた園芸療法をベースにした身体と心をサポートする講座を自宅の庭で開きたいと思っています。福井で実現したい自分らしいライフワークですね。

移住者に向けたアドバイス

 福井には18歳までしかいなくてその後の人間関係は家族や親戚くらいでしたから、ほとんど知り合いがいなくて。帰ってきてからは友達作りも兼ねて合唱や英語といったサークルや同好会に入っています。福井って、実はいろんな活動が行われているんですね。表立って活動についてあまり発信されないのは、シャイな県民性なのかもしれません。私自身、サークルでつながった人脈で助けてもらうことも多くて。なので、もし福井に移住された時には、ぜひ地区の活動などにも参加してみてください。
 それから、福井市は本当に自然が豊かです。福井市にはいろんな地区があって、少し行くだけで清らかな水の流れる川があって、景色の綺麗な海があって、美味しい食があって。探せば探すだけいろんな魅力があると思います。私もまだ探検しきれていませんが、ぜひ皆さんも福井市に来て探検してみてください。

日芳さんにとっての福井

 根をはる場所、でしょうか。今までの自分の経験が誰かの役に立って、それがいずれ自分たちの暮らしやすさに繋がる、という循環。そう考えると、しっかりとこれから地域に根を張って生活していきたい場所、そう思っています。

 

越のリゾット

円山リゾット米とライスパフ

(開発された円山リゾット米とライスパフ )

 2020年から福井市円山地区で栽培されているリゾット米の品種名。食物繊維に似た機能を持つ難消化性でんぷんを多く含む高アミロース米で、消化吸収がゆっくり進む為、血糖値が気になる人にお薦め。これまでに、リゾット・パエリア専用の「円山リゾット米」、炊き込みご飯専用の「炊き込みブレンド」、炊飯器で作るチャーハン専用の「チャーハンブレンド」の3種類の商品が開発されている。
 リゾット米を使用したライスパフも開発され、プレーン、ごまきび糖、カレーの3種類の味が選べる。

ガーデニング

(ホタジェ(混植)スタイルのキッチンガーデン)

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