T・Tさん

※希望によりイニシャルでの記載としています。

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(T・Tさん)

「福井は“帰ってくる場所”」

 今回お話を伺ったのは、大阪から福井にUターン移住したT.Tさん。出身は福井市で、京都の大学に進学後、大阪で就職。県外に出てからいつも心の片隅にあった“地元・福井”。令和3年、ついに福井市へUターン移住を決断し、現在は福井市内で総合広告会社に従事。福井市への移住を決めたTさんに移住後の生活のことなどをお伺いした。

 

福井に移住を決めたきっかけ

 大学生の頃、福井でも就活を行っていましたが、なかなか苦戦しまして。ご縁があったのが大阪にある会社でしたので、大学卒業後は大阪に住んでいました。その後、転職やフリーランスへの転身をし、大阪で仕事を続けていた最中、新型コロナウィルスが蔓延。「このまま大阪にいてメリットはあるのか」と思うようになりました。周囲の友人たちにも相談しましたし、仕事でお世話になっていた人たちにも相談しましたが、自身の年齢や地元の家族のことを考えると、「この場所(大阪)にこだわる必要はない」という結論に至りました。それから福井での転職活動を始めたところ、今の会社にご縁があり、福井に帰る決断をしました。

 

移住に対する不安はあったか

 地元に帰るということだったので、そこまで不安は感じていませんでした。ただ、今の会社への入社を決めた時、最初の勤務地が金沢の本社勤務になると聞いており、いつまで金沢への配属となるのかがわからなかったので、そこは少しだけ不安でした。

 

福井へ帰ることをご両親や友人に伝えた時の反応

 両親はあまり感情を表に出す方ではないので、大袈裟に喜んだりはしていませんでしたね。そもそも私が福井に帰ってくることを想定していなかったそうです。福井に帰ることを伝えた時の両親の反応は、「そうか」の一言くらいでしたね。(笑)
 地元の友人はとても喜んでくれました。接触回数が減ったこともあり、関西圏の友人たちとは疎遠になりつつあるので、地元の友人が近くにいてくれるのはありがたいですね。仕事でお世話になっていた方にも報告はしましたが、本当に快く送り出していただきました。

 

移住前、福井にはどんな印象を持っていたか

 高校生まで福井に住んでいましたが、当時はそれが当たり前の世界だったので、あまりこれといった印象は持ち合わせていませんでした。大学で京都に出てから、友人などと話している時に、言葉のなまりで“福井”を感じることはありましたね。

 

移住後その印象は変化したか

 良くも悪くも印象の変化を感じました。住んでいた大阪との対比になってはしまいますが、福井は保守的で閉鎖的だなと感じることはあります。特に、仕事の営業に行ったときに感じますね。大阪は人情の世界というか、コミュニケーションの温度感は高めだったように思います。
 反対に、福井は人が少なくて息苦しさがないのがよいところだともいます。福井が地元だからか人の密度に程良さを感じます。また、車社会だからこその良さもあります。車の中はパーソナルスペースが保たれているので、考え事をするなどの一人の時間が持てるのが良いですね。

 

実際に福井に住み始めて感じたこと・良かったこと

 実家に戻ったからというのもあり、無駄な出費は大幅に減りましたね。(笑)抑えられた出費分は、個人的な趣味などに充てることもできますし。大阪には“誘惑”がたくさんありますが、福井にはあまりありません。出来ることの幅が広いのはもちろん大阪の方ですが、福井の場合は制限がある中で如何に生活の質を上げるかということを考えるようになりました。

 

難しさや不便なことを含めて、福井での生活はどうか

 仕事に行く時は、電車を利用しています。ただ、本数があまりないので時間に縛られてしまうのは不便だと感じることもあります。雪が降ると時間がずれてしまうこともありますし。ただ、それらを含めても不便すぎることはないと思います。満足度としては10点満点で言えば、9点です。マイナス1点分は、これから何かあるかもしれないので。(笑)総じて、仕事やプライベートなども満足していますし、福井に帰ってきて良かったと思っています。大阪にいた頃は、「いつ福井へ帰るか」といつも心の片隅に残っている状態だったので、それが解消された今はすっきりとした気持ちで過ごせています。

 

現在の仕事内容と今後の目標

 現在の仕事は、総合広告会社として、新聞やテレビなどの広告媒体の取り扱いや、イベントの企画運営、パンフレットやホームページの制作など、幅広い業務を担当しています。これまでに取り組んできた仕事のベースとして、デザインに携わることが多かったので、その知見を活かせるようにアウトプットしていきたいと考えています。俗にいう、クリエイティブな仕事、ですかね。仕事の中で、個性というか自分の色を出していければと思います。自分自身が得意なフィールドに相手を引き込むようなやり方をしていきたいですね。
 今後、教育、移住定住、社会貢献という社会の中でもコアな分野は無くならないどころか、ますます重要になってくると思っています。一つの民間事業者として、オリジナリティーを持ちながら、また自分自身の移住者としての視点も織り交ぜながら、そういった分野に携わっていきたいですね。

 

福井市への移住を検討している方へのアドバイス

 あまりIターンを検討している人には当てはまらないかもしれませんが、「帰りたい」と思った時が帰るべき時なのだと思います。自分は移住を決断するまでに時間がかかってしまったからこそ言えるのですが、変に悩むより早めに決断した方が良いと思いますね。頭にその考えがよぎった時が決断する時。早めに決断することで、時間というリソースを移住後に充てることが出来ますから。

 

あなたにとって福井はどんな場所か

 まず外に出ていたからこそ感じることなのですが、言葉、気候、人柄についての見え方が”異なる場所”だと感じます。福井以外の場所から福井を見た時に、ことばのなまりや、北陸特有のどんよりとした曇りが続く冬、人との接し方などは、やはり他県とは異なっているのかなと。ただ、そんな“異なる場所”であっても、やはり福井は地元です。私にとって福井は”帰ってくる場所”でもありました。

 

製作物

(これまでにTさんが携わってきた広告チラシの一例)

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