最終更新日:2013年4月1日
もっと知ろう!糖尿病
身体の中を見てみよう。糖の役割、ホルモンの働き
糖は大切なエネルギー源。筋肉や脳で消費される。
ご飯やパンなどの炭水化物は食道を通って、胃で分解されブドウ糖となり、小腸で吸収されて、血液に溶け込んで肝臓に運ばれます。
肝臓は必要に応じて血液中にブドウ糖を放出し、全身の細胞でエネルギーとして消費されます。
余ったブドウ糖は、エネルギー不足に備えて、肝臓や筋肉でグリコーゲンとして蓄えられたり、脂肪に形を変えて、脂肪組織に蓄えられます。
インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモン。
インスリンは膵臓から分泌されています。
血糖をブドウ糖として消費したり、蓄えたりする働きをします。
血糖値は一定の範囲内に調節されている。
血糖値は血液中のブドウ糖の濃度のことです。
食事をとるとブドウ糖が吸収されて、血糖が増加します。すると、膵臓からインスリンが分泌されて、糖を細胞に取り込むので、食後にあがった血糖値はすぐに下がります。
また、食事を抜いても、肝臓などに蓄えられていたグリコーゲンがブドウ糖に分解されて血液中に放出されるので、血糖値が下がり過ぎることはありません。
このように、インスリンは血糖値の変化に応じてタイミングよく分泌されるので、健康な人の血糖値は一定の範囲内におさまっています。
血糖値が高くなるのはどうして?
インスリンの分泌や働きが阻害されて、血糖値が高くなる原因は次のとおりです。
インスリンの分泌が遅い、量が少ない。
分泌が遅いと、食後の血糖が特に高くなります。
また、分泌量が少ないと血糖をブドウ糖として十分に取り込むことができません。
膵臓のインスリンを作る細胞の働きが悪くなることや、遺伝的な要因が関係しています。
インスリンの働きが悪い。
インスリンは分泌されているのに、インスリンを受け取る受容体の働きが悪いので、十分に作用しません。
肥満や運動不足、多量の飲酒、ストレスなどが主な原因です。
特に内臓脂肪からはインスリンの働きを弱める成分が分泌されて、逆にインスリンの働きをよくする成分の分泌が減るので、インスリンの効きが悪くなります。
自分の血糖値はどれくらい?
空腹時血糖と随時血糖
血糖値は食後にあがるなど、1日の間で変動しています。
そのため、血液検査をした時々によって、血糖値は異なります。
空腹時血糖は10時間~14時間の空腹の状態で測定します。正常値は70~100mg/dl程度
随時血糖は空腹時以外の状態での測定します。正常値は140mg/dl程度以下
HbA1c ヘモグロビン・エー・ワン・シー
それに対して、過去1~2ヶ月の平均的な血糖の状態を表すのがHbA1cです。
基準値は次のとおりです。国際標準値で表記しています。
- 5.5%以下は、正常値
- 5.6%以上6.4%未満は生活改善の改善が必要なな値(保健指導判定値)
- 6.5%以上は糖尿病が強く疑われる値(受診勧奨判定値)
健康診断で、血糖値が高いと言われたら、必ず医療機関で再検査を受けましょう。 |
糖尿病の原因は?
食べすぎ
バランスよく、自分の活動量に合ったカロリーの食事であれば問題ありません。
しかし、早食い、ドカ食い、多い間食、遅い夕食などは肥満のもとになります。また、脂っこいものや甘いものは血糖コントロールを乱れさせたり、動脈硬化などの病気を引き起こします。
運動不足
運動はエネルギーを消費する活動で、そのエネルギー源がブドウ糖です。
インスリンの作用とは関係なく、運動そのものが刺激となって、筋肉細胞内へブドウ糖を取り込むことができます。
運動不足は、筋肉細胞の機能を低下させ、インスリンの効きを悪くしています。また肥満の原因になります。
肥満
肥満細胞からは、インスリンの作用を妨害する物質が多く出ます。
また、肥満細胞が大きくなると、インスリンの効きをよくする物質の分泌が減ってしまいます。
喫煙
アドレナリンなどのストレスホルモンが分泌されて、血糖値が上昇します。
インスリンの効きを悪くする物質が出ます。
タバコの有害物質が膵臓に悪さをして、インスリンの分泌を低下させます。
アルコールの飲みすぎ
筋肉などで、ブドウ糖の取り込みを阻害して血糖値が上がります。
また、飲酒時のつまみが高カロリーで肥満や高血糖を助長します。
ストレス
ストレスのホルモンが分泌されることにより、インスリンの働きを弱めてしまい、血糖値が上昇します。
また、ストレスがたまると、暴飲暴食につながります。
加齢
膵臓も徐々に老化していきます。
60歳を過ぎると、インスリンの分泌量は若いころの3分の2に減ってしまいます。
より一層、生活習慣に気をつける必要があります。
糖尿病の症状
自覚症状がありません。
症状がでた頃にはかなり進行しています。
のどが渇いて水をよく飲む、トイレが近い、疲れやすい、足のしびれや痛み、視力低下、体重減少、風邪を引きやすい、膀胱炎になりやすい、など
上記の症状が出たら、すぐに病院へ行きましょう。
糖尿病を放置すると
血管が傷つき、動脈硬化を引き起こし、全身に影響を及ぼします。
血糖のコントロールがうまくいかず、高血糖の期間が長いほど起こる可能性が高くなります。
三大合併症
糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症を三大合併症といいます。
- 糖尿病神経障害の症状はしびれや痛み、感覚が鈍くなる、こむら返りなどで、夜間に症状が出やすくなります。また、胃もたれや便秘、下痢、立ちくらみ等も神経が障害されて起こる症状です。
- 糖尿病網膜症は失明などの視覚障害の原因の1つです。初めの頃は自覚症状がありません。視力低下などの自覚症状が現れたときには、既に失明の危機に瀕していることもあります。進行を抑えるためにレーザー治療を行いますが、視力をもとに戻すことは困難です。
- 糖尿病腎症は、老廃物や余分な水分を取り除き尿をつくるという、腎臓の働きが低下する病気です。塩分やたんぱく質の摂取制限や運動や仕事の制限、血圧の管理も必要になります。初めのころは自覚症状はありません。徐々にむくみや貧血などの症状が見られ、進行して尿が作れなくなると、透析療法が必要になります。
その他の合併症
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞の危険性が高くなり、命に関わることもあります。
足の壊疽が起こり、進行が早く、切断しなければならないこともあります。
免疫の働きが低下して感染しやすくなります。
糖尿病の怖さは、合併症が気付かない間に進行していくことです。 合併症を早期発見するために定期的に検査を受けましょう 。 |
合併症の検査
心電図検査(内科)、眼底検査(眼科)、微量アルブミン尿検査(内科)、胸部エックス線検査(内科)など。
主治医と相談して定期検査を受けましょう。
あなたは大丈夫?
1 | 甘い物や脂っこいものが好き |
2 | おやつを必ず食べる |
3 | 野菜や海藻類をあまり食べない |
4 | 朝食を食べない |
5 | 運動不足 |
6 | 太っている |
7 | アルコールをよく飲む |
8 | ストレスが溜まっている |
9 | 血縁者に糖尿病の人がいる |
10 | 妊娠中に血糖値が高いと言われた |
たくさんあてはまる人ほど要注意です。生活習慣によるものが多いことがわかります。
お問い合わせ先
福祉健康部保健衛生局 健康管理センター
電話番号 0776-28-1256 | ファクス番号 0776-28-3747
〒910-0853 福井市城東4丁目14-30 【GoogleMap】
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