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最終更新日:2012年4月1日

【おさごえ民家園】旧岡本家住宅


《福井市指定文化財》

建築年代:18世紀前期

旧所在地:若狭町有田

岡本家外観

この住宅は、岡本繁夫(しげお)氏から福井市が譲り受け、昭和59年に解体し、同62年移築・復原したものです。土蔵1棟と灰小屋も主屋とともに移築され、できるだけ元の屋敷の雰囲気を伝えるよう配慮して復原されています。

主屋は茅葺き入母屋(いりもや)造り平入りで、右手前方につのやが出ています。軒が低く、深い様子はどっしりとしていて、いかにも古風な感じを与えます。嶺北地方ではつのやのある民家は珍しくありませんでしたが、嶺南地方では非常に珍しいものでした。

屋根の輪郭は嶺北(れいほく)地方と異なり直線的で、棟の頂(いただき)も丸みを持たず、茅を葺く手順も嶺北地方とは違っています。

間取りは棟通りで前後に大きく2分され、後方にざしきなかのまものおきなんどを連ね,前方にはおおにわをはさんでうまやだいどころを配してあります。

にわだいどころの前方に造られたつのやの部分にも延びて、この上におとこしべやが造られています。おとこしべやは通常馬屋(うまや)の上などにあり、だいどころの上はおなごしべやとするのが普通ですが、床の間を構え、舟底天井(ふなぞこてんじょう)を張ったこの部屋は、家人の個室として使われた時期があったのかも知れません。

ざしきなかのまの境は、なかのま側に半間(はんげん)ずらしてざしきを拡大する改造が行われていましたが、移築の折に復原されました。

ざしきと縁側境の中央に建つ柱は、障子1本分が通り抜けられるよう繰り抜いてありますが、その理由は明らかではありません。当家ではこれを庄屋柱と呼んで、代官等が当家を訪れたとき、外から切りつけられぬよう、この柱があるのだと伝えています。

岡本家立面図(南側から)

岡本家立面図

移築の際、さんじょうの縁側の板から安永3年(1774)の、また、なかのまにわ境の板戸の上桟(かみざん)からは天明4年(1784)の墨書(すみがき)が発見されて、この住宅はそれ以前に建ったことが確かめられました。特に縁(えん)のこの部分は、ざしきの縁とは細部の仕様が異なるため、後に改造されたことが明らかです。

したがって、創建はそれより以前の、18世紀中期か18世紀前期と考えられます。

土蔵は外壁が中塗り仕上げのままで、漆喰(しっくい)も塗ってなく、腰板(こしいた)も張ってありません。屋根は二重になっていて、野地板(のじいた)の上に筵(むしろ)とウラジロを重ねて土を塗り、その上に合掌を置いて屋根下地を作ってあります。両妻に穴を開けて、空気層の換気をはかっています。

岡本家平面図

 

お問い合わせ先

教育委員会事務局 おさごえ民家園
電話番号 0776-34-3794ファクス番号 0776-34-3794
〒918-8011 福井市月見5丁目4番48号 【GoogleMap】
業務時間 8時30分から17時15分 【開園時間】9時から17時15分(入園は16時45分まで) 【休館日】月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(但し、翌日が土・日曜日の場合は開園)、年末年始(12月28日から1月4日)

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