最終更新日:2015年10月3日
福井市景観賞2015表彰作品について
福井市景観賞とは・・・
「福井市景観賞」は、福井市の優れた街並みや風景を維持・創出することで、景観づくりに対する市民意識を高めることを目的に、周りの景観に調和した建物などや、美しい街並みづくりを先導するような取り組み、またそのような景観を守り・育んでいる活動などを市民の方々から幅広く募集し、より優れたものを表彰する制度です。
福井市景観賞2015の概要
募集期間:平成27年2月20日(金)~6月30日(火)
応募総数:79件(まちなみ部門 57件、風景部門 22件)
1次審査:7月28日(火)
2次審査:8月31日(月)
表彰式 :10月2日(金) 午後4時から
福井市役所本館1階 市民ホール
まちなみ部門
M RESIDENCE
穏やかな景色のえちぜん鉄道勝山永平寺線そばに、コンクリート打放しの矩形のシンプルな平屋建て2世帯住居「M RESIDENCE」はある。 道路沿いの立面は、開口部のない異空間へと誘う強烈なインパクトを放ち、平面は、プライバシーとコミュニケーションという対照的な課題に挑んでいる。敷地全面が手入れの行き届いた芝生で覆われ、とりわけ印象的な南の庭側ファサードは、開口部全体が窓であり、開放感に溢れている。外観をニュートラルな白・グレイとすることで、電車の音を聞き、自然豊かな四季折々の風景を愛で、日常の生活を慈しむ想いが、ひしひしと伝わる落ち着いた住まいとなり、福井市の景観にモダンな一石を投じている。 (講評 加藤 美子) |
浜町安文酒店
歴史と文化を感じさせる福井市浜町。再整備が進められているこの場所に「浜町安文酒店」はある。
浜町の雰囲気に合わせて、建物は「和」をイメージさせる、調和のとれた黒と白の壁、その白壁に映える縦面格子でデザインされている。べんがら色のよろい塀のなかには、周りの雰囲気に配慮した、茶色に塗装された自動販売機が遠慮がちに置かれている。玄関周りは敷石となり、花壇には建替えの時に出た笏谷石が置かれ、通りを行く人がちょっと休憩できる木製ベンチもあるなど、人々が集えるコミュニテイースペースになっている。 浜町の景観を意識した、伝統を感じさせる、素晴らしい建物である。 (講評 中村 潤一) |
風景部門
城山(じょうやま)と麓の集落
城山と麓の集落は、旧北陸街道の浅水宿の程近くにある。城山は、街道沿いの戦略上の要衝として、標高202mの山に中世から戦国にかけて幾度も山城が築かれ、木曽義仲、新田義貞など名だたる武将の戦場だった。麓の集落には、窓枠や壁などに意匠を凝らした蔵が点々とつながり、昔ながらの木造住宅が居を構えている。庭先の畑には夏野菜が丹精に植えられ、今や戦いのない、のどかで平和な情景に包まれている。 集落内の500mの道をたどることで、歴史と未来の道筋が見えてくる。地元の有志が20年前から登山道の整備や広葉樹の植樹に取り組み、新たにできた、「歴史」と「農」をデザインした地元の若い世代の感性によるむらかみ食堂へと続く。少子高齢化の中でも、世帯数は昔と変わらないという。 温故知新。古くて最先端のモデルがここにある。 (講評 鈴木 奈緒子) |
さくらの小径
福井市の「歴史のみち」のひとつ、「さくらの小径」でまず目につくのは、11基のレトロな和風なデザインのガス灯。また幕末の横井小楠、明治期のグリフィスの像が設置されていて、歴史的な風情を感じさせる。夜には暖かいガス灯の光で、昼間とは違った雰囲気を楽しむことができる。また福井の風物詩である桜のシーズンには、対岸の桜並木とともに、養浩館から足羽山に至る歴史のみちとして、福井県民・市民は勿論、福井を訪れる観光客への「おもてなし」の空間として、重要な役目を十分に果たしている。 (講評 歌門 敬二) |
特別賞
むらかみ食堂
西側には城山や多くの蔵つきの古民家がバックにあり、また東側の遠くには白山連峰、近くには田園地帯がある。
そんなのどかな農業振興地域の道路沿いに位置する農家食堂。オーナー自身農業に従事しながらの経営で、意欲が感じられた。ここにしかない「食」と「まわりの風景」との調和から蔵や納屋をイメージし、県産材の杉を多く使用した、シンプルな造りの明るい建物である。田の匂いを嗅ぎながら、自家製の米のおにぎりや野菜の漬物等、ここでもシンプルなメニューで、訪れるお客様をお迎えしている。周囲に配慮しながら、「食」と「農」を次世代の子ども達につなげていくと語ったオーナーのこだわりの姿勢に感動した。 (講評 歌門 敬二) |
新緑のケヤキ並木
福井市中心部を走るフェニックス通りの、裁判所から大名町交差点の間に、ケヤキの街路樹が植えられている。緑が少ない中心市街地における、自然樹形の見事なケヤキ並木である。 この場所では、ムクドリの大量発生による鳥害が、大変問題になっているが、景観を考慮して剪定は行わず、自然樹形を残す方向性である。どうしても剪定が必要な場合は、外側の切り詰めは行わず、中を枝抜きして透かす手法をとるという。最近は強くブツ切りした街路樹をよく見かけるが、見るに堪えない景観である。 このケヤキ並木は福井市内のシンボルとして、これからも守り、育てていってほしい。 (講評 中村 潤一) |
福井市 都市戦略部 都市整備室
TEL:(0776)20-5454 FAX:(0776)20-5764
Eメール: tosiseibi@city.fukui.lg.jp
過去の表彰作品一覧
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