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最終更新日:2005年12月9日
基本構想
基本構想
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新世紀を拓くために
20世紀における科学技術の発展は、人類に繁栄と自然破壊という相反する命題をもたらしました。高度情報社会に突入する21世紀の世界は、様々な課題を抱えながらも、民族や文化の違いを超えて共生することの重要性を認識することにより、知恵を出し合い、“21世紀の地球”のあるべき姿を模索しはじめました。
日本では高齢社会を迎える中で、社会の成熟化、価値観の多様化が進んでいます。生活の質の向上を求める住民の多様なニーズは、国の中央集権的システムを地方の自治を重視する方向へと変化させています。
新たな世紀では、これまでの市民、行政、地域社会、企業それぞれのあり方や関わり方を、新たな理念に基づいて見直し、次の世代に持続発展可能な社会システムへと組みかえていく必要があります。
私たちは、新たな世紀を拓く地球市民福井人として、市民憲章の精神に基づき福井のまちづくり、ひとづくり、ものづくり、未来づくりの新たなる指針として、また市民と行政が協働する第一歩として、基本構想を策定することとしました。
これまで福井市は戦災、震災、水害という数多くの災害を乗り越えて発展してきました。今日、社会や経済が大きく変動する中にあって、これからの10年を、21世紀における福井市の繁栄の基礎を築く時と捉え、この基本構想を指針として、福井市をさらに素晴らしく光り輝くまちへと発展させようと決意しました。
2001年
市民と行政が連携・協働し、責任を共にする市民参画のまちづくり
21世紀は、行政が市民の多様化する全てのニーズに、対処することが困難な時代になると予想されます。従来の行政主導によるまちづくりから、市民参画によるまちづくりへの転換が求められています。
市民と行政がそれぞれの役割を認め、連携・協働しあって、市民が幸せな生活を送ることができるように努力していくことが大切です。そのためには、市民自らも、まちづくりに関する自主性、自律性を高める必要があります。行政は、積極的な情報の公開や提供を行って透明性の向上を図り、企画や運営への市民参画機会の提供に努める必要があります。
21世紀は住民自治の精神のもと、市民と行政がまちづくりに対する責任を共に担い、市民参画を基調としてまちづくりを進めていきます。
20世紀には、人は競い合いながら自然を拓き、まちを築いてきました。新たな世紀では、基本理念に基づき、物質的な「豊かさ」や「住みよさ」だけではなく、人が「楽しさ」を実感し「住みたい・住んでみたい」と感じることができるまちを実現するため、県都福井市のめざすべき将来像を定めました。
「交(こう)」は、出会い、交わりあい、賑わいのあるふれあいです。
「響(きょう)」は、共鳴、共生、感動のあるハーモニーです。
「楽(がく)」は、うれしさ、たのしさ、おもしろさを越えた喜びです。
「彩(さい)」は、多彩、多才、個性的な彩りのある美しさです。
人は、人との交わりを通して、コミュニケーションを広めながら知識を深めあい成長します。
人と人との交わりは、重なり合って、響きあい、生きる喜びや楽しさを生み出してくれます。人々のさまざまな楽しさがあふれるところには、賑わいが生まれ、彩りが生まれます。
それぞれ個性のある「人」、「街」、「自然」、「文化」が交響楽彩するとき、市民に活力がみなぎるまちが生まれます。
この創造プランでは、目標年次を平成23年度(2011年度)とし、将来像の実現のため、「人」をキーワードとして、「人、街、自然、文化」の共生・調和を施策の基本目標とします。
(1)「人と人」が共生・調和するまちづくり
市民がいきいきと交流できるまちを実現するためには、市民一人ひとりが個性と創造性を発揮することが大切です。同時に、地域や社会の中で人と人が共生し、三世代が交流する社会を築くことが大切です。とりわけ、未来を拓く子どもたちが伸び伸びと育ち、夢を実現できる環境を整えることが肝要です。また、ノーマライゼーションの理念に基づき、すべての人が安心して生活し、活動できる人にやさしい社会づくりや、高齢者が生きがいをもって活躍できる生涯現役社会づくり、さらに、女性と男性があらゆる分野で対等なパートナーとして活動できる男女共同参画社会づくりが必要です。
そのため、個性や創造性を重視するとともに、地域コミュニケーションを充実する“創造性豊かな人を育むまち”や、市民が生涯を健康で楽しく生活できる“健康でいきいきと暮らせるまち”づくりをめざします。
(2)「人と街」が共生・調和するまちづくり
地方分権の時代を迎え、地域の特性を活かしたまちづくりが求められています。福井の顔であるJR福井駅を中心とする市街地における魅力的な都市機能の集積による賑わいづくりや、各地域における個性あるまちづくりが必要です。
また、まちの活力の源は産業です。生活の基盤として人々が安定して働ける産業の育成を図ることが重要です。
そのため、多くの人が訪れ賑わいのある中心市街地の再生と、個性的で住みよい生活環境づくりによる“県都にふさわしい魅力あるまち”や、21世紀を担う産業の育成やIT(情報技術)の活用を始めとした、新たな取り組みを行う企業や起業者を支援する“産業を育成するまち”づくりをめざします。
(3)「人と自然」が共生・調和するまちづくり
人が潤いや安らぎのある生活をするためには、自然は欠くことのできないものです。私たちは、豊かな水と緑に恵まれた福井の自然環境を、将来に継承していく必要があります。しかし、温暖化現象など地球規模での環境破壊や、廃棄物による環境汚染が市民の生活を脅かしています。また、地震や洪水などの自然災害に対 する認識や備えが大切です。
そのため、地域環境を保全しながら資源やエネルギーを有効に活用する資源循環型の社会づくりに努め、ゆたかな自然や四季の彩りを活用した“環境にやさしいみどり豊かなまち”や、災害に強いライフライン機能の充実した“安全・安心で清潔なまち”づくりをめざします。
(4)「人と文化」が共生・調和するまちづくり
福井の人と歴史が育んだ伝統文化をはじめ、現代の新しい感性で生み出される文化まで、これまで人は多様な文化を創り出してきました。文化はコミュニケーションの礎であり、人生に喜びと彩りをもたらし、人の生活の質を高めます。また、異なる文化との交流は新しい文化の創造につながります。
そのため、郷土の歴史や伝統文化を大切にする“歴史に学び、文化を発信享受するまち”や、福井が育んできた多様な文化を、産・学・官と市民が協働して、さらに高度に発展させていく“新しい文化を創造するまち”づくりをめざします。
このようにまちの活力を維持、強化するまちづくりを積極的に行うことにより、都市の活力を測るバロメーターとしての人口の定着と増加を図り、30万人都市の実現をめざします。
21世紀を拓くふくい創造プランでは、各基本目標の中で優先的に取り組むための課題を次のように捉え、今後積極的な取り組みをめざします。
(1)健やかな子どもの育成
少子社会の到来や核家族の増加により、子育ての経験と知識に乏しい親や、子育てに不安を感じる親が増加しています。そのため、行政、地域社会が一体となって、誰もが安心して子どもを産み、育てることに夢が持てる社会の実現に向けた支援に取り組みます。
また「命」の大切さや、「心」の痛みがわからない青少年による凶悪な事件が増加しています。そのため、知識だけでなく、心の教育を大切にし、家庭・地域・学校・社会が一体となって「人」づくりに取り組みます。
(2)豊かな長寿社会の実現
少子高齢社会の到来は、社会保障や介護に対する不安感を高めています。そのため、行政や地域社会は高齢者が楽しくいきいきと暮らすことができる、保健医療や福祉などの社会福祉システムの充実に取り組みます。
(3)男女共同参画社会の実現
男女共同参画社会基本法が平成11年に施行されましたが、人々の意識や社会慣行の中には男女の役割を固定する考えが残っています。そのため、家庭、職場、学校、地域社会において、男女が対等なパートナーとして協働しながら、いきいきと暮らせる共同参画の社会づくりに取り組みます。
(4)中心市街地の再構築
居住人口の減少、空き店舗の増加などにより中心市街地の活力が失われてきています。そのため、県都の顔であり、政治、経済、文化の中心である中心市街地に、賑わいを取り戻すための都市機能の再構築に取り組みます。
(5)市民交通システムの構築
環境問題や高齢社会に対応するため、車依存型社会からの脱却が求められています。そのため、公共交通機関の充実や交通結節機能の強化を図るとともに、高齢者、障害者等も安全で快適に移動できるように、バリアフリー等による交通弱者対策を推進することにより市民に便利な交通システムづくりに取り組みます。
(6)産業の活性化
産業構造の変化により、基幹産業である繊維産業を始めとして、多くの既存産業が停滞しています。そのため、既存産業の活性化や新たな基幹産業の創出等、産業の振興対策に取り組みます。
また、地場産業では、IT(情報技術)の進展に十分な対応ができていません。そのため、ITを活用する地場産業の新たな取り組みを支援することにより、新たな産業展開による産業の活性化に取り組みます。
(7)高度情報社会への対応
IT(情報技術)の急激な発達による高度情報社会の進展に、行政や市民は十分な対応が出来ていません。そのため、ITを活用した行政の情報システムを整備することにより、多様な市民サービスの提供や市民参画機会の拡大を進めます。また、多くの市民がITの発達による恩恵を享受できるように、市民の情報機器活用能力の向上に取り組みます。
(8)資源循環型社会の実現
生活水準の向上や生活の質の変化により、廃棄物の増加や市民生活における環境の悪化が進んできています。そのため、環境への負荷の少ない省エネルギー・省資源社会の実現をめざし、廃棄物の減量化と再利用化、再資源化による資源循環型社会の構築に取り組みます。
(9)環境の保全と創造
森林や農地における大規模な開発や都市化の進展に伴い、人と自然が共生していた昔ながらの環境が失われつつあります。そのため、身近な環境の保全と、水や緑などの自然と触れ合える潤いと憩いのある環境づくりに取り組みます。
(10)学術文化の創造
画一的なハード優先の開発が進んだ結果、日本全国において文化の質が均質化し、地方独自の文化が衰退しようとしています。そのため、歴史、生活、産業などの多様な地域固有の文化を学術的に再評価し、様々な文化の情報や知識を学術と結びつけることによって、新たな学術文化の創造や支援に取り組みます。
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