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最終更新日:2009年5月25日

清水地域の滝波町の伝承


しみずっペディア 滝波町の伝承

清水西地区 滝波町(たきなみちょう)


1.地名といわれ
滝波(滝波町)は、白滝(白滝町)から川の流れが、滝のように波打って流れる村として「滝波」の地名が生れた。
大むかしは滝波の奥まで湖の底であったと言われ、加茂内台地の北側に、「舟卸し」という名が残っていたり、林道工事のときには「カラス貝」の化石がでている。
最初に開けた所は、黒谷あたりだといわれ、後になって山を下りて嵯峨山(さがやま)のふもとの高野(たこの)に住み、それからあとだいぶんたって現在の山すそに住むようになった。


2.西徳寺
越知山大谷寺(越前町)一千坊の一つで一二七〇年のむかし、行基菩薩が彫刻された五智如来(ごちにょらい)の本尊と共に兵火をまぬがれるために、お自分で深谷に出られたと伝えられている恵心僧都(えしんそうず)自作の阿弥陀如来立像が本尊である。


3.観音堂・地蔵堂(かんのんどう じぞうどう)
西徳寺の境内に三十三観音をおまつりした観音堂がある。この観音さまは、三十三体の「変化観音(へんげかんのん)」で世の中を隅ずみまでよく見渡し、苦しみの声をよく聞いて、救いの手をさしのべられるために、いろいろお姿をかえておられる観音様である。
入口の左右に大きな地蔵が安置されている。この地蔵群はもと別棟の地蔵堂にまつられてあったが、今は観音堂にいっしょに安置してある。六体地蔵尊も安置されている。


4、五智如来様(ごっつあまさま ごちにょらいさま)
地、水、火、風、空にして、三身円満三即一の尊像で、日本三所也と縁起書に書かれている。
本尊は行基菩薩が彫刻されたものであると由緒に書いてある。
五智如来(中央大日如来、右側薬師(やくし)如来 宝生(ほうしょう)如来、左側釈迦(しゃか)如来、阿弥陀如来)
守護神 持国天(じこくてん)、多聞天(たもんてん)(四天王の中二天 )
聖観世音菩薩 地蔵菩薩


5.犬飼神社(いぬかいじんじゃ)
祭神 犬飼大明神は、大むかし鷹狩に用いる犬を飼育する氏人、農産物を荒らす野獣を退治する犬を飼う氏人などの祖先をまつった神社である。
賀茂神社の末社で、もとは賀茂神社の台地に建っていたが、ずっと後になって現在地に移された。


6.地蔵盆
滝波(滝波町)には、ところどころに地蔵さんが安置されている。むかしから毎年八月二十三日に子ども達が掃除をして灯明(とうみょう)をあげたあと、「地蔵盆」が行われる。
この地蔵盆には、神社の拝殿に集って楽しい催物(もよおしもの)をする。この時村人のおまいりした者には、菓子をくばるならわしがある。


7.人見塚(ひとみつか)
滝波(滝波町)高地の切り通しの下に小さい丸い山があった。この小山はお供の生けにえ人の塚ではないかと伝えられている。
太閤検地の時、太閤様がこの塚の土をなめて、肥え土であるか、やせ土であるかを見分けたと言われている。


8.黒谷
滝波(滝波町)で早くから人が住みつき、開けたところで、清水がわき出る山ふところである。南北朝の時、私市(きさいち)家の祖先が黒谷へ落ちのびたといわれる。
また、天正年間には、一若三位局(いちわかさんみのつぼね)が愛王丸を抱いてかくれていた処である。


9.がらがら山
村ばなに、滝波(滝波町)区有地の採石場があり、「がら山」又は「がらがら山」と呼んでいる。火山岩の一種である流紋岩が露出している山である。流紋岩は扁平にわれやすく、道路に砂利として利用されている。


10.私市家(きさいちけ)
私市(キサイチ)の姓は日本全国で八十二戸しかない。滝波(滝波町)に十戸ある。
六百五十年前、斯波高経(しばたかつね)が新田義貞を攻めたとき、新田氏についていた「私市党」の一族が滝波の黒谷に逃げ込んだといわれ、現在の私市家の祖先であるといわれている。


11.服部九郎ェ門家(はっとりくろうえもんけ)
一四六〇年ほど前の継体天皇の時代、大和の国にいた日子八井命(ひこやいのみこと)という人の子孫が、天皇の命によって、越前の国を開くために来られた。この人が服部家の祖先である。この人は生れつき顔が黒かったので、人びとは黒右衛門といったという。
代だい「舎峨山(しゃがやま)」に住み、義経主従をかくまったり、朝倉氏によくつかえたりした。また、太閤検地のときにも忠勤にはげみ、「服部」の姓をたまわるなどいろいろな働きがあった。


12.広部与三右ェ門家
広部一族の祖先であるともいわれ、代だい庄屋、長百姓をつとめ滝波(滝波町)の発展につくした。
江戸時代に福井藩主の代替りの折、越智山大谷寺(越前町)御社参には、本陣宿(殿様の宿舎、休憩所)をつとめた。今も殿様用のおぜんやおわん、ソバの入れ物、ソバこね棒やソバ棒、ソバ板など保存されている。


13.広部早苗(ひろべさなえ)
嘉永二年三月、志津村滝波(滝波町)の広部家(檜谷(ひのきだん))の長男として生れた。幼少のとき、賀茂神社の広部重直宅の寺子屋で学び、成人してからは、役場や大森郵便局につとめた。
後に京都の歌人、赤松祐以(あかまつゆうい)に師事して和歌を学び、「千逸(せんいつ)」と号した。明治二十二年新年勅題に詠進し見事に佳作に入選した。本県で最初の栄誉である。


14.周辺

  • 大森町、笹谷町、本折町、清水畑町、加茂内町、島寺町、白滝町
  • 滝波ダム
  • 城山
  • 県指定文化財(彫刻) 木造大日如来坐像 附 金剛界四仏
  • 市指定文化財(彫刻) 木造持国天立像 木造多聞天立像 木造聖観音菩薩立像 木造地蔵菩薩立像 

15.参考文献など

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