最終更新日:2021年4月5日
大気汚染防止法(特定粉じん(石綿・アスベスト)排出等作業)
大気汚染防止法は、工場及び事業場から排出又は飛散する大気汚染物質を規制することにより大気汚染の防止を図ることを目的としています。政令で定められた施設を設置する場合等には、事前に届出を行う必要があり、大気汚染物質の種類ごと、施設の種類・規模ごとに定められている排出基準等を遵守しなければなりません。
特定粉じんとは
「粉じん」とは、物の破砕、選別その他の機械的処理又は堆積に伴い発生し、又は飛散する物質をいいます。このうち大気汚染防止法では、人の健康に被害を生じるおそれのある物質を「特定粉じん(石綿)」、それ以外の粉じんを「一般粉じん」として定めています。
規制対象となる作業
大気汚染防止法で規定されている石綿含有建築材料(以下「特定建築材料」という。)が使用されている建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)を解体し、改造し、又は補修する作業(以下「特定粉じん排出等作業」という。)が、大気汚染防止法の規制対象となります。
特定建築材料の種類 |
建築材料の具体例 |
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石綿含有吹付け材 |
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石綿含有断熱材 |
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石綿含有保温材 |
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石綿含有耐火被覆材 |
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その他の石綿含有建材 |
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【作業前】事前調査及び発注者への説明等の実施
建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事(以下「解体等工事」という。)の元請業者は、解体等工事が特定粉じん排出等作業を伴う建設工事(以下「特定工事」という。)に該当するか否かについて調査を行うとともに、発注者に対し、調査結果等を記載した書面を交付し説明する必要があります。
また、元請業者は、調査に関する記録を作成し、当該記録及び発注者への説明書面の写しを保存するとともに、解体等工事の現場に備え置き、調査結果を公衆に見えやすいように掲示する必要があります。
自主施工者についても、当該工事が特定工事に該当するか否かについて調査を行うとともに、調査に関する記録を作成し保存するとともに、解体等工事の現場に備え置き、調査結果を公衆に見えやすいように掲示する必要があります。
調査の方法 |
※上記の調査により特定工事に該当するか否かが明らかにならなかったときは、分析による調査を行うこと。 |
調査者の資格等 |
令和5年10月1日以降に着工する工事の調査は、以下の資格を有する者等が行う必要があります。
ただし、工作物の工事に関する調査については、令和8年1月1日以降に着工する工事から、以下の資格を有する者等が行う必要があります。
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発注者への説明 |
【説明事項】
特定工事に該当する場合は、以下の事項も必要です。(◎は届出対象特定工事に該当する場合のみ)
【説明時期】 |
調査に関する記録 |
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調査結果の掲示 |
【掲示の大きさ】
【掲示事項】
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説明書面の写し及び調査結果の記録の保存期限 |
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【作業前】事前調査結果の報告
元請業者又は自主施工者は、以下の範囲の工事を行う場合は、石綿の使用の有無に関わらず事前調査結果を福井市に報告する必要があります。
報告が必要な工事の範囲
工事の対象 | 工事の種類 | 報告対象となる範囲 |
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すべての建築物 (建築物に設ける建築設備を含む) |
解体 | 解体部分の床面積の合計80平方メートル以上 |
改修(※1) | 請負金額が税込100万円以上 (材料費も含めた工事全体の請負代金) |
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特定の工作物(※3) | 解体・改修(※2) |
(※1)建築物の改修工事とは、建築物に現存する建材に何らかの変更を加える工事であって、建築物の解体工事以外のものをいい、リフォーム、修繕、各種設備工事、足場の設置、塗装や外壁補修等であって既存の躯体の一部の除去・切断・破砕・研磨・穿孔(穴開け)等を伴うものを含みます
(※2)定期改修や、法令等に基づく解放検査等を行う際に補修や部品交換等を行う場合を含みます
(※3)報告対象となる工作物は以下のものです(なお、事前調査自体は以下に限らず全て必要です)
- 反応槽、加熱炉、ボイラー、圧力容器、煙突(建築物に設ける排煙設備等の建築設備を除く)
- 配管設備(建築物に設ける給水・排水・換気・暖房・冷房・排煙設備等の建築設備を除く)
- 焼却設備、貯蔵設備(穀物を貯蔵するための設備を除く)
- 発電設備(太陽光発電設備・風力発電設備を除く)、変電設備、配電設備、送電設備(ケーブルを含む)
- トンネルの天井板、遮音壁、軽量盛土保護パネル
- プラットホームの上家、鉄道の駅の地下式構造部分の壁・天井板
- 観光用エレベーターの昇降路の囲い(建築物であるものを除く)
事前調査の報告方法
事前調査結果の報告は、原則として「石綿事前調査結果報告システム(外部リンク)」で行います。
なお、報告には「gBizID(外部リンク)」の登録が必要となります。
【作業前】特定粉じん排出等作業実施届出書の提出
特定工事のうち、特定粉じんを多量に発生し、又は飛散させる原因となる特定建築材料として政令で定めるもの(吹付け石綿並びに石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材)に係る特定粉じん排出等作業を伴うもの(以下「届出対象特定工事」という。)の発注者又は自主施工者は、特定粉じん排出等作業の開始の日の14日前までに特定粉じん排出等作業実施届出書を提出する必要があります。
届出書様式はこちら
【作業中】作業基準の遵守
特定工事の元請業者若しくは下請負人又は自主施工者は、特定工事における特定粉じん排出等作業について、作業基準を遵守する必要があります。
作業計画の作成 |
特定工事の元請業者又は自主施工者は、以下に掲げる事項を記載した作業計画を作成し、計画に基づき作業を行うこと。
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掲示 |
特定工事の元請業者又は自主施工者は、公衆の見やすい場所に以下の要件を備えた掲示板を設けること。 【掲示の大きさ】
【掲示事項】
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特定粉じん排出等作業の記録 |
特定工事の元請業者若しくは下請負人又は自主施工者は、特定工事における施工の分担関係に応じて特定工事における特定粉じん排出等作業の実施状況を記録し、これを特定工事が終了するまでの間保管すること。
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特定粉じん排出等作業の確認 |
特定工事の元請業者は、各下請負人が作成した記録により特定工事における特定粉じん排出等作業が計画に基づき適切に行われていることを確認すること。 |
作業完了の確認 |
特定工事の元請業者又は自主施工者は、特定工事における特定建材料の除去、囲い込み又は封じ込めの完了後に(除去等を行う場所を隔離した場合は、隔離を解く前に) |
作業の種類ごとの作業基準 |
下記表参照 |
大気汚染防止法施行規則別表第7
一 |
解体作業のうち、吹付け石綿及び石綿含有断熱材等を除去する作業(次項又は五の項に掲げるものを除く。) |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等に使用されている特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ 特定建築材料の除去を行う場所(以下「作業場」という。)を他の場所から隔離すること。隔離に当たっては、作業場の出入口に前室を設置すること。 ロ 作業場及び前室を負圧に保ち、作業場及び前室の排気に日本産業規格Z八一二二に定めるHEPAフィルタを付けた集じん・排気装置を使用すること。 ハ イの規定により隔離を行った作業場において初めて特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始前に、使用する集じん・排気装置が正常に稼働することを使用する場所において確認し、異常が認められた場合は、集じん・排気装置の補修その他の必要な措置を講ずること。 ニ 特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始前及び中断時に、作業場及び前室が負圧に保たれていることを確認し、異常が認められた場合は、集じん・排気装置の補修その他の必要な措置を講ずること。 ホ 除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。 ヘ イの規定により隔離を行った作業場において初めて特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始後速やかに、及び特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始後に集じん・排気装置を使用する場所を変更した場合、集じん・排気装置に付けたフィルタを交換した場合その他必要がある場合に随時、使用する集じん・排気装置の排気口において、粉じんを迅速に測定できる機器を用いることにより集じん・排気装置が正常に稼働することを確認し、異常が認められた場合は、直ちに当該除去を中止し、集じん・排気装置の補修その他の必要な措置を講ずること。 ト 特定建築材料の除去後、作業場の隔離を解くに当たっては、特定建築材料を除去した部分に特定粉じんの飛散を抑制するための薬液等を散布するとともに作業場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行ったうえで、特定粉じんが大気中へ排出され、又は飛散するおそれがないことを確認すること。 |
二 |
解体作業のうち、石綿含有断熱材等を除去する作業であって、特定建築材料をかき落とし、切断又は破砕以外の方法で除去するもの(五の項に掲げるものを除く。) |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等に使用されている特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ 特定建築材料の除去を行う部分の周辺を事前に養生すること。 ロ 除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。 ハ 特定建築材料の除去後、養生を解くに当たっては、特定建築材料を除去した部分に特定粉じんの飛散を抑制するための薬液等を散布するとともに作業場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行うこと。 |
三 |
解体、改造又は補修作業のうち、石綿を含有する仕上塗材を除去する作業(五の項に掲げるものを除く。) |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等に使用されている特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ 除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。(ロの規定により特定建築材料を除去する場合を除く。) ロ 電気グラインダーその他の電気工具を用いて特定建築材料を除去するときは、次に掲げる措置を講ずること。 ハ 特定建築材料の除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること。この場合において、養生を行ったときは、当該養生を解くに当たって、作業場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行うこと。 |
四 |
解体、改造又は補修作業のうち、石綿を含有する成形板その他の建築材料(吹付け石綿、石綿含有断熱材等及び石綿を含有する仕上塗材を除く。この項の下欄において「石綿含有成形板等」という。)を除去する作業(一の項から三の項まで及び次項に掲げるものを除く。) |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等に使用されている特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ 特定建築材料を切断、破砕等することなくそのまま建築物等から取り外すこと。 ロ イの方法により特定建築材料(ハに規定するものを除く。)を除去することが技術上著しく困難なとき又は改造若しくは補修作業に該当するものとして行う作業の性質上適しないときは、除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。 ハ 石綿含有成形板等のうち、特定粉じんを比較的多量に発生し、又は飛散させる原因となるものとして環境大臣が定めるものにあっては、イの方法により除去することが技術上著しく困難なとき又は改造若しくは補修作業に該当するものとして行う作業の性質上適しないときは、次に掲げる措置を講ずること。 ニ 特定建築材料の除去後、作業場内の特定粉じんを清掃すること。この場合において、養生を行ったときは、当該養生を解くに当たって、作業場内の清掃その他の特定粉じんの処理を行うこと。 |
五 |
解体作業のうち、人が立ち入ることが危険な状態の建築物等を解体する作業その他の建築物等の解体に当たりあらかじめ特定建築材料を除去することが著しく困難な作業 |
作業の対象となる建築物等に散水するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 |
六 |
改造又は補修作業のうち、吹付け石綿及び石綿含有断熱材等に係る作業 |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等の部分に使用されている特定建築材料を除去若しくは囲い込み等を行うか、又はこれらと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ 特定建築材料をかき落とし、切断又は破砕により除去する場合は一の項下欄イからトまでに掲げる事項を遵守することとし、これら以外の方法で除去する場合は二の項下欄イからハまでに掲げる事項を遵守すること。 ロ 特定建築材料の囲い込み等を行うに当たっては、当該特定建築材料の劣化状態及び下地との接着状態を確認し、劣化が著しい場合又は下地との接着が不良な場合は、当該特定建築材料を除去すること。 ハ 吹付け石綿の囲い込み若しくは石綿含有断熱材等の囲い込み等(これらの建築材料の切断、破砕等を伴うものに限る。)を行う場合又は吹付け石綿の封じ込めを行う場合は、一の項下欄イからトまでの規定を準用する。この場合において、「除去する」とあるのは「囲い込み等を行う」と、「除去」とあるのは「囲い込み等」と読み替えることとする。 |
【作業後】発注者への報告及び作業記録の保存等
特定工事の元請業者は、特定粉じん排出等作業が完了したときは、その結果を遅滞なく発注者に書面で報告する必要があります。また、特定粉じん排出等作業に関する記録を作成し、当該記録及び発注者への報告書面の写しを保存する必要があります。
自主施工者についても、当該作業に関する記録を作成し保存する必要があります。
発注者への報告書面 |
【報告書面の記載事項】
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作業に関する記録 |
【特定粉じん排出等作業の実施状況】
【以下の確認を行った年月日、確認方法、確認結果】
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報告書面の写し及び作業の記録の保存期限 |
工事が終了してから3年間 |
【作業後】特定粉じん排出等作業完了届出書の提出
届出対象特定工事の発注者又は自主施工者は、特定粉じん排出等作業を完了した日から7日以内に特定粉じん排出等作業実施届出書を提出する必要があります。
届出書様式はこちら
【発注者の方へ】発注者の協力及び配慮について
発注者は、事前調査が適切に実施されるよう、調査に要する費用を適正に負担することその他当該調査に関し必要な措置を講ずることにより、調査に協力する必要があります。(大気汚染防止法第18条の15第2項)
また、特定工事の発注者は、元請業者に対し、施工方法、工期、工事費その他当該特定工事の請負契約に関する事項について、作業基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないように配慮する必要があります。(大気汚染防止法第18条の16第1項)
届出義務
- 石綿を含有する吹付け材や保温材等が使用されている建築物等を解体、改造、補修する作業を行うとき(特定粉じん排出等作業実施届)
- 特定粉じん排出等作業を完了したとき(特定粉じん排出等作業完了届)
届出様式
提出にあたっては、以下の点にご注意ください。
- 正副2部作成する。
- 日本産業規格A4の大きさに整えてファイル等に綴じる。
様式 番号 |
届出の種類 | 届出期限 | 様式 (ワード) |
添付書類 |
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様式 第3の5 |
特定粉じん排出等作業実施届出書 (大気汚染防止法) |
特定粉じん排出等作業の開始の日の14日前 (例:4月16日作業開始の場合、4月1日までに届出) |
様式 第3の5 |
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様式 第8 |
特定粉じん排出等作業完了届出書 (福井県アスベストによる健康被害の防止に関する条例) |
特定粉じん排出等作業を完了した日から7日以内 | 様式 第8 |
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※上記の添付書類は、負圧隔離養生を行う場合の主な添付書類です。届出内容等によっては、その他の書類の提出を求めることがあります。
関連リンク
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市民生活部 環境廃棄物対策課
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