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最終更新日:2024年4月1日

【おさごえ民家園】旧岡本家住宅と昔の暮らしの特色


旧岡本家住宅と昔の暮らし

旧岡本家住宅外観
建築年代:18世紀前期
旧所在地:若狭町有田
 

岡本家住宅平面図

おおにわ、 なかのま

 入り口から入ってすぐの土間を「おおにわ」といい、屋内作業の場所でした。収穫してきた籾米を玄米と籾がらに分ける籾すり作業は、「おおにわ」で行い、玄米を俵詰めにする作業は、奥の「なかのま」で行いました。なお「なかのま」は、普段は板敷きですが、行事を行うときは、畳を敷いて「ざしき」に通すお客さんのための控え部屋として使われました。

いろり

 岡本家もいろり廻りの座る場所が厳しく決められていました。ただ、座る場所の呼び名が他の古民家と違っていました。神棚側をヨコザに一家の主人である父親が座りました。ヨコザの右側をカカザといい母親が、ヨコザの正面をキジリといい祖父母が、ヨコザの左側をシモザといい子どもが座りました。

岡本家イロリ

  • 丑梁(うしはり)について
    「いろり」の上の丑梁には、茅の箸が連なって巻かれています。これは家が新築され住み始めの日に行う家移りの行事に伴うものです。小浜市下根来では家移りの日、大豆3個、小豆3個、小石3個入りのお粥を作り親戚や村人を招いて食事をし、その後茅の箸を連にして丑梁に巻くという建築儀礼が昭和20年頃まで残っていました。現在、この古民家の丑梁に巻いてある茅の箸は、民家園の開園式に伴い行事を再現した折に用いられたものです。

たなもとのにわ

 岡本家には「にわ」が2箇所あり、その一つが「だいどころ」から下がったところにある「たなもとのにわ」と呼ばれる土間です。「たなもとのにわ」には、「かまど」が2基と「ながし」があります。若狭地方では、「かまど」で米を炊くなど「いろり」と併用して煮炊きを行っていました。

  • かまどについて
    旧岡本家住宅には、「かまど」があります。「かまど」でご飯を炊き、「いろり」の中にある五徳に鍋を掛けておつゆなどを煮ていました。このように、嶺南地方では「かまど」が早く普及しました。

岡本家カマド

ざしき

 岡本家の「ざしき」は6畳の部屋です。お役人など大切なお客さんとの話し会う部屋でした。また、結婚式や葬式の後の会食を行う時に隣の「なかのま」に畳を敷いて、ともに使いました。

  • 神棚と仏壇について
    若狭町周辺では浄土真宗以外の家が多く、嶺北地方と違って仏壇は小さく「ざしき」の床の間の横にあり、神棚は「だいどころ」にありました。それは、この地方では神と仏の両方を信仰していたからです。また岡本家には、仏法の行事を行う専用の部屋の「ぶつま」がありません。

参考:嶺北地方の民家では浄土真宗の家が多く、立派な仏壇や「ぶつま」があります。また、仏様しか拝まなかったため、神棚はありません。

さんじょう、なんど

  • さんじょう
    「ざしき」と「うまや」の間の部屋を「さんじょう」といいます。一家の主人と奥さんが寝起きする部屋でした。
  • ものおきものおき」の隣の部屋を「なんど」といい、祖父母の隠居部屋でした。若狭町周辺では家の中に隠居部屋を作り、祖父母と親密にしていました。

土蔵、灰小屋

 土蔵も灰小屋も土で出来ており燃えにくい構造になっています。 
  • 土蔵
    米やあまり使わなくなった家具を収納していました。

 岡本家土蔵

  • 灰小屋
    「かまど」や「いろり」で火を焚くことで出来た灰を保管し、田畑の肥料にしました。

岡本家灰小屋

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