ホーム 観光・文化・イベント文化文化・芸術施設【おさごえ民家園】旧城地家住宅と昔の暮らしの特色

最終更新日:2024年4月1日

【おさごえ民家園】旧城地家住宅と昔の暮らしの特色


旧城地家住宅と昔の暮らし

旧城地家住宅
建築年代:嘉永5年(1852)
旧所在地:大野市蕨生(おおのし わらびょう)

旧城地家住宅平面図

庄屋について

 旧城地家住宅とても大きな庄屋の家です。庄屋とは村の代表者で、主な仕事は年貢(税金)の負担方法の決定、田の水路工事などの監督です。また、村の中の土地の管理や村人の生活を守っていました。
 そのため庄屋は、村人に人望があり、かつ読み書きや算数ができる知識人でもありました。旧城地家住宅には、これらの仕事を手伝う使用人が男女合わせて10人程いました。

家の特徴と柱

 旧城地家住宅は県内で最も大きな規模・構えです。旧城地家住宅のあった大野市は雪が多いため、民家の柱が大変太いです。また、屋根に雪が積もらないように屋根の傾斜が急であり、雪に埋もれないように軒が高くなっています。

にわとその周辺

 玄関から入ったすぐのところを「にわ」といいます。この場所は、土に石灰を混ぜて叩いて固めた土間になっています。にわでは収穫した籾米を玄米と籾がらに分ける籾すり作業などを行いました。また、わらをにわのちょうば石の上で打って柔らかくし、「だいどころ」で縄をなったり草履や蓑などを編んでいました。
 にわの地下には、「イモあな」と呼ばれる野菜の収蔵庫があり、天然の冷蔵庫の役割がありました。また、天井には種もみが吊るしてあり、ネズミが降りてきて食べられないように工夫がなされていました。また、にわの上の中2階には「つし」があり、茅やわら、たきぎ等を保管していました。
 入り口には「うまや」があり、牛馬が飼われていました。牛馬は農作業に欠かせないため大切にされ、家の中の日当たりの良い場所で飼われていました。使用人の男性はうまやの上の中2階で寝泊まりをしていました。

だいどころといろり

 城地家があった大野市周辺では「だいどころ」といい、地域によって「おい」や「おいえ」ともいいます。蓑などの雨具や、草履・わらじを編んだり、綿や麻から糸を作り布を仕立てていました。使用人の女性は、だいどころの上の中2階で寝起きをしていました。
 だいどころには「いろり」があり、食事の煮炊きをしたり、一緒に食事をするなど家族の団らんの場でした。いろり廻りは座る場所が厳しく決められていました。「ざしき」側のヨコザに、一家の主人である父親が座りました。ヨコザの右側のナベザに母親が、ヨコザの正面をのヒタキザに祖父母が、ヨコザの左側のシモザにどもが座りました。

旧城地家住宅のイロリ

ながしと風呂

  • ながし
    水道のなかった時代、家の中の井戸を利用したり、川の水を汲んで水がめに溜めて洗いものをしていました。旧城地家のように山間部の家では、竹の樋で山水を家の中に引き込み、ながしの石舟に溜めて使いました。洗濯はながしでも行われていましたが、戸外の井戸端や川辺の洗い場でも行っていました。
  • 風呂
    風呂場を仕切ってある家はほとんどありませんでした。風呂桶の中で体を洗い、夏はたらいをながしの隅に置いて行水をしていました。

しきだい

 縁側には「しきだい」があり、大切なお客さんはここから入り、この部屋でお茶を出されて休憩しました。その後、「ぶつま」を通って「ほんざしき」に入り、話し合いをしました。

ぶつま

 役人や特別なお客さんが「しきだい」から家の中に入り、「ぶつま」を通って「ざしき」に入り、話し合いをしました。

ざしき

 役人や特別なお客さんが「しきだい」から家の中に入り、「ぶつま」を通って「ざしき」に入り、話し合いをしました。城地家では「ざしき」のことを「ほんざしき」といい、畳12畳半もありました。当時はこのような広いざしきはめったにありませんでした。
 ほんざしきとへやの間の襖には、取っ手がありません。その理由は、「へや」と「おいえ」は家族が寝起きをしていた場所なので、ほんざしきからは開けられないようにするためでした。

便所と肥料について

  • 便所
    越前地方では「ほんざしき」と「ぶつま」の裏にある便所を「上便所」と言い、お坊さんやお客さん専用に使われていました。家族や使用人は、入り口脇にある「下便所」を使用しました。また下便所は、人糞を肥料として使用したため汲み取りやすい所、更に屋外作業や「にわ」での仕事時に使用しやすい所に設けられました。

  • 肥料について
    農家では肥料は大切なものの一つでした。人糞、牛馬の糞尿で汚れたわらや灰や洗いものをした後の水など様々なものを肥料に使いました。肥料を使って食物を栽培し、その食物を食べてまた肥料が出来るといった循環がありました。先人はこのようなエコ生活を送っていました。 

お問い合わせ先

教育委員会事務局 おさごえ民家園
電話番号 0776-34-3794ファクス番号 0776-34-3794
〒918-8011 福井市月見5丁目4番48号 【GoogleMap】
業務時間 8時30分から17時15分 【開園時間】9時から17時15分(入園は16時45分まで) 【休館日】月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)、祝日の翌日(但し、翌日が土・日曜日の場合は開園)、年末年始(12月28日から1月4日)

メールでのお問い合わせはこちら

ページ番号:012624