退職所得に対する個人住民税について
課税する市町村と納税義務者
退職手当等の支払を受ける人の申告
分離課税に係る所得割の課税標準
税額の計算方法
税額の納入方法
分離課税に係る所得割の計算例
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退職所得に対する個人住民税について
退職手当等の退職所得に対する個人住民税については、所得税と同様に、他の所得と区分して退職手当等の支払われる際に支払者が税額を計算し、退職手当等の支払金額からその税額を差し引き、市町村に特別徴収の方法により納税することとされています。この退職所得に対する個人住民税は、地方税法上、 「分離課税に係る所得割」と呼ばれています。
課税する市町村と納税義務者
1 その年の1月1日現在の住所地の市町村が課税
分離課税に係る所得割の 納税義務者は、退職手当等の支払を受ける人です。
また、分離課税に係る所得割を課税するのは退職手当等の支払を受ける人の、その 退職手当等の支払を受けるべき日(通常は退職した日)の属する年の1月1日現在における住所地の市町村(以下、「課税市町村」とします)です。
2 退職所得に対する住民税が課税されない人
次に掲げる人には、分離課税に係る所得割は課税されません。
- 退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の 1月1日現在において生活保護法による生活扶助を受けている人
- 退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の 1月1日現在において国内に住所を有しない人
- 退職手当等の 収入金額が退職所得控除額より少ない人
なお、 死亡により支払われる退職手当等に対しては、相続税の課税対象となるため、 個人住民税は課税されませんので注意してください。
退職手当等の支払を受ける人の申告
退職手当等の支払を受ける人は、その支払を受ける時までに、「退職所得申告書(2021年12月31日以前支払分)・退職所得申告書(2022年1月1日以降支払分)」(所得税の「退職所得の受給に関する申告書」と同一用紙になっています。)をその支払者を経由して、課税市町村の長に提出しなければならないことになっていますが、この申告書は、退職手当等の支払者が受理した時に市町村長に提出したものとみなされるので、支払者の手元に保管していただくことになっています(保管期間は、この申告書の提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年を経過するまでです)。ただし、保管期間の間に、市町村長が支払者に対し提出を求めた場合は、支払者は申告書を市町村長へ提出する必要があります。
分離課税に係る所得割の課税標準
1 分離課税に係る所得割の課税標準
分離課税に係る所得割の課税標準は、 その年中の退職所得の金額です(同一年中に2以上の退職手当等の支払を受ける場合は、これらの合計額について算定します)。
2 退職所得の金額
(1) 退職所得の計算(所得税法第30条第2項に規定する退職所得の金額の計算の例による)
一般退職手当等の場合(※1)
退職所得の金額 = (退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2
(1,000円未満の端数切捨て)
特定役員退職手当等の場合(※2)
退職所得の金額 = 退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額
(1,000円未満の端数切捨て)
短期退職手当等の場合(※3)・・・令和4年1月1日以後に支払を受ける退職手当等に適用
短期退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額 ≦ 300万円 の場合
退職所得の金額 = (退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2
(1,000円未満の端数切捨て)
短期退職手当等の収入金額 - 退職所得控除額 > 300万円 の場合
退職所得の金額 = 300万円 × 1/2 + {退職手当等の収入金額 - (300万円 + 退職所得控除額)}
(1,000円未満の端数切捨て)
(※1)一般退職手当等・・・退職手当等のうち、特定役員退職手当等及び短期退職手当等のいずれにも該当しないもの
(※2)特定役員退職手当等・・・役員等(法人税法上の法人役員、国会・地方議員及び国家・地方公務員の方をいいます。)としての勤続 年数が5年以下である人が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるもの。
(※3)短期退職手当等・・・短期勤続年数(役員等以外のものとして勤務した期間により計算した勤続年数が5年以下であるものをいい、この勤続年数については、役員等として勤続した期間がある場合には、その期間を含めて計算します。)に対応する退職手当等として支払を受けるもので、特定役員退職手当等に該当しないもの。
(2) 退職所得控除額の計算(所得税法第30条第3項及び第5項の規定の例により勤続年数に応じた次の算式による)
ア 勤続年数が20年以下の場合
40万円 × 勤続年数 (80万円に満たないときは、80万円)
イ 勤続年数が20年を超える場合
800万円 + 70万円×(勤続年数-20年)
なお、退職手当等の支払を受ける者が在職中に障がい者に該当することとなったことにより退職した場合には、上記ア又はイの金額に100万円を加算した金額が控除されることとなります。
(3) 勤続年数の計算(所得税法施行令第69条及び70条の規定の例による)
引き続き勤務した実際の勤続期間に基づいて計算します。なお、1年未満の端数があるときは、これを1年とします。
税額の計算方法
分離課税に係る所得割の税額は、退職所得の金額に、税率(市町村民税は6%、道府県民税は4%)を適用して計算します。
【市町村民税所得割額の計算】
市町村民税所得割額 = 退職所得金額 × 6% (100円未満の端数切捨て)
【道府県民税所得割額の計算】
道府県民税所得割額 = 退職所得金額 × 4% (100円未満の端数切捨て)
また、「退職所得申告書」の提出の有無とその内容に応じて、それぞれ、次によりその税額を計算します。
(1) 「退職所得申告書」に支払済みの他の退職手当等がないと記載されている場合
支払われる退職手当等の収入金額について退職所得を計算し、これに上記税率を適用して計算します。
(2) 「退職所得申告書」に、その年中に支払済みの他の退職手当等があると記載されている場合
支払われる退職手当等の収入金額と退職所得申告書に記載されている支払済みの他の退職手当等の
収入金額を合算した金額について退職所得を計算し、これに上記税率を適用して計算した税額から、
支払済みの他の退職手当等について徴収された又は徴収されるべき税額を控除して計算します。
(3) 「退職所得申告書」の提出がない場合
(1) の要領によって計算します。
税額の納入方法
1 納入先
退職手当等の支払者は、その支払の際に、上記により計算した分離課税に係る所得割の税額を、退職手当等から徴収し(特別徴収)、 課税市町村に納めなければなりません。
※所得税の納付先(事務所等の所在地管轄税務署)とは異なるので、注意してください。
2 納入の手続
納入の手続きは、次のとおりです。
(1) 「個人市民税個人県民税納入書」の裏面の 「市・県民税納入申告書」に必要事項を記入し、「退職所得に係る市・県民税 特別徴収税額納入申告内訳書」及び「退職所得の源泉徴収票」をご提出ください。
(2) 徴収した月の翌月10日までに(注)、指定の 納付場所(指定金融機関等)で「市・県民税納入申告書」を提出するとともに、納入書により特別徴収した税額を納入してください。
(注) 使用人が常時10人未満の給与等の支払者が、 市町村長の承認を受けたときは、特別徴収した分離課税に係る所得割を、6月から11月までの分と12月から翌年5月までの分にまとめて、それぞれ 12月10日又は6月10日までに納めることができるものとされています。(納期の特例)
※納期の特例について詳細はこちらをご確認ください。(新しいウインドウが開きます)
分離課税に係る所得割の計算例
【例1】
勤続年数25年で、令和元年5月に退職し、14,223,632円の退職手当等を受けた場合の分離課税に係る所得割額の算出
(答)
(1) 退職所得控除額
8,000,000円+700,000円×(25年-20年)=11,500,000円
(2) 退職所得の金額
(14,223,632円-11,500,000円)×1/2=1,361,816円 → 1,361,000円 ※1,000円未満の端数切捨て
(3) 税額
市民税所得割額 1,361,000円×6%=81,660円 → 81,600円 ※100円未満の端数切捨て
県民税所得割額 1,361,000円×4%=54,440円 → 54,400円 ※100円未満の端数切捨て
特別徴収税額 81,600円 + 54,400円 = 136,000円
【例2】
役員等としての勤続年数が4年で、平成31年3月に退職し、その役員等としての勤続年数に対応するものとして1,000万円の退職手当等を受けた場合の分離課税に係る所得割額の算出
(答)
(1) 退職所得控除額
400,000円 × 4年 = 1,600,000円
(2) 退職所得の金額
10,000,000円 - 1,600,000円 = 8,400,000円 ※1,000円未満の端数切捨て
(3) 税額
市民税所得割額 8,400,000円 × 6% = 504,000円 ※100円未満の端数切捨て
県民税所得割額 8,400,000円 × 4% = 336,000円 ※100円未満の端数切捨て
特別徴収税額 504,000円 + 336,000円 = 840,000円
【例3】
勤続年数5年で、令和4年3月に退職し、1,000万円の退職手当等を受けた場合の分離課税に係る所得割額の算出
(答)
(1)退職所得控除額
400,000円 × 5年 = 2,000,000円
(2)退職所得の金額
1,500,000円 + {10,000,000円-(3,000,000円+2,000,000円} = 6,500,000円 ※1,000円未満の端数切捨て
(3)税額
市民税所得割額 6,500,000円 × 6% = 390,000円 ※100円未満の端数切捨て
県民税所得割額 6,500,000円 × 4% = 260,000円 ※100円未満の端数切捨て
特別徴収税額 390,000円 + 260,000円 = 650,000円
○国税庁 「退職金を受け取ったとき」のページ(新しいウインドウが開きます)
○給与所得等からの特別徴収に係る様式のダウンロード(新しいウインドウが開きます)
○事業主の方へ トップページ(新しいウインドウが開きます)
○市民税課トップページ(新しいウインドウが開きます)
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